ピック病とは
ピック病とは認知症を生じる病気の一つで、発症確率はアルツハイマー病よりもずっと少なく、国内の患者数は1万人~2万人ほどと言われています。ただ、診断が難しい病気ということから、実際にはもっと多くの患者がいると推定されています。
原因は不明で、アルツハイマー病と比べてても解明も進んでおらず、アルツハイマー病と同様に病気の進行を遅らせることはできても完治はまだできない病気です。
また、アルツハイマー病より介護に対応できる施設が少なく、受け入れ先を見つけるのも困難かもしれません。
ピック病の症状
代表的な症状は、人格の変化と常同行動です。
人格の変化では、前頭葉の委縮により我慢が出来なくなり、列に並べない、万引きをする、痴漢をするなど、普通はやらないことを、悪いことであると理解できずにしてしまいます。こういった反社会的な行動を平気で取ってしまうため、周囲から理解されず、わがままで高慢な自分勝手な人間に見えてしまいます。
我慢がきかない(自制力がなくなる)事から、人の家に勝手に上り込んだり、相手のことは考えず一方的に自分の意見ばかり話し続けたりといった症状がみられます。
常同行動は、決まった時間に散歩に出かける、食事をとる、お風呂に入るといった、同じリズムの生活を繰り返すことです。
この他、同じものばかり大量に買う、何でも口に入れてしまうなどの異常行動もピック病の症状です。
初期症状はうつ病と間違われやすく、また、診断が難しい病気であることもあり、病院の診察を受けていても正しい診断が遅れてしまうこともしばしばです。病気を知り、家族のサインを見逃さないことが重要な病気です。早期発見をして早めに治療を始めることが予後に大きく影響します。
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