ありがとうを言う大切さ
認知症患者は、日々介護される中で、プライドや尊厳をたもてなくなっていきます。
自分は社会に必要のない存在だ、迷惑をかけてしまう、指摘されるばかりで自信をもてない、プライドは壊れていく、愛されていない、そんなふうに自分を追いつめてしまいます。
認知症になってもできることはたくさんある
認知症になっても、できることは残されています。特に初期であれば日常のかなり多くのことをこなすことが出来ます。
楽をさせてあげようと、何もかもやってあげるような環境を作るのは本人のできることを奪い、何かをすることで脳を刺激できるというチャンスを失います。さらに、認知症患者は自分が存在している意味を見いだせなくなり、精神的に悪影響を及ぼすでしょう。
認知症患者が伝えたい17のことでは、「仲間の役に立ちたい。励ましあいたい。」「少しの支えでできることがたくさんあります。」「私なりに家族を支えたいことをわかってほしい。」など、人の役に立ちたい、できることをしたい、という本人の気持ちが伝えられています。
認知症になっても、本人は人の役に立ちたいし、家族には楽をしてほしいと願っています。
ありがとうを伝えること
何かをしてくれたなら、ありがとう、としっかり伝え、家族にや社会に必要とされている事を感じてもらうことが大切です。
なかなかそのような機会が作れないなら、例えば、ちょっとさすってもらったり、肩をもんでもらう(力は弱いなど関係なく)など、日常の中で少し助けてもらう環境を作っることで、役に立てたと感じてもらうことが出来るでしょう。
他にも、ゲーム等で一緒に遊んでもらえば、本人の脳刺激にもなり、「おかげで楽しかった、ありがとう」と伝えることもできます。
本人は、してもらうばかりでなく、してあげたいと感じているのです。何かをしてあげて感謝されるのは誰だって気持ちが良いものです。
プライド、尊厳を大切にすることは、認知症の悪化をふせぎ、本人の心の安定にも繋がるでしょう。
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