認知症患者の「記憶」の変化
認知症と聞くと、ただ漠然と記憶がだんだんなくなっていく病気とイメージする方も多いと思います。
実際、認知症の方はどのように記憶が無くなっていくのか、残りやすい記憶は何なのかを書いておきます。
記憶とは、新しい記憶を取り込み、脳に保存し、必要に応じて脳から取り出すのですが、認知症患者はそのすべてに支障をきたします。
まず失われるのは最近のこと
認知症の方は、「新しいことを記憶する能力」がまず弱まってきます。
例えば、「食事をした」という直近の出来事を覚えられず、「ご飯まだ?」と言います。今聞いていたラジオや音楽を覚えておらず「今の番組面白かったね」と言っても「何の話?」となります。
食事の前に薬を飲んでね。と伝え、何度も確認をしたとしても、薬を飲むことを忘れてしまいます。新しいことを覚えていられないのです。この時、隣で「薬飲み忘れていますよ」と言うと、「あ、そうだそうだ」と思い出します。「薬飲み忘れていますよ」という言葉が「必要に応じて脳から記憶を取り出す(脳の記憶を再生する能力)」のを助けたからです。
昔の記憶は残りやすい
認知症が進んでも、割と昔のことは覚えています。認知症により記憶を失うのは最近のことから順にさかのぼるそうです。なので、認知症の早期発見のための問診も、最近のことを尋ねると言います。
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若かったころの記憶は残りやすく、介護者が「昔○○だったんですよね。」「若いころの話を聞かせてください」などと訪ねると嬉しそうに話し出す方も多いとか。ただし、話が長~くなりがちな質問ですから、時間と心に余裕のあるときでないと厳しいかもしれませんね。
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